春が来た!
と思ったばかりなのに、今日は冬に逆戻り。
既にコートが軽くなっている分、余計に寒い。
でも、東京のど真ん中の桜達は、なんとなく太って温かみを帯びている。
冬と同じ、葉を落とした寂しいままなのだけど、枝の先が太って見える。
昨年の暮れ、ボロ市でブナの木を手に入れた。
ブナを自分で育てられるなんて思ってもみなかったので、ちょっと嬉しかった。
子供のようにはしゃぎ気分で、友人のブナ博士に報告をした。
「やっぱり、ブナは、自然の中で育つのがいいんだよ。」
当たり前のことを言われたのだけど、少ししょげた。
「でも、せっかく手元にあるのだから、しっかり観察してね。」
はい、博士。
ブナの鉢は、窓から一番見やすいところに置いてある。
毎日毎日必ず見る。
でも、春になっても、ブナはいっこうに変わる気配がない。
桜みたいに少しは太って見えるかと思っていたが、買った時と全く同じ姿だ。
少し心配になってくる。
もうひとつのこの春の新しいお客様は、昨年の夏に来たロシアンセージ。
うちに来てからは、終始枯れ姿である。
本当にちゃんと芽が出てくるのだろうか。と思わせるほど、ジーッと枯れていた。
2週間ほど前、小さな芽が顔だしているのに気づいた。
まだまだ小さい芽なのだけれど、もう一息!
そして、セージの足元には、小さな緑の傘のような苔がきれいに並んでいる。
上から見ると、ムーミンの(古い?)のニョロニョロみたいだ。
ホントは、長い柄を持った、オシャレな傘の装いだ。
こうして、皆、それぞれの姿で春を迎える。
昨日の強い強い風が、深くて重い心の蓋を吹き飛ばし、少し軽やかに私も春を迎えている。