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アンデスの旅 その9:アマゾンへ!

 マチュピチュからの帰りの電車での“けだるさ”は、風邪ぎみのような症状に変わっていった。頭がだるい。翌朝起きてみると、その症状はなくなっていたが、今度は、胃が痛かった!いったいどうしたというのか?その後、どうやらアグアスカリエンテスで食べたランチに当たっただろうことがわかった。人生最大の“くだし”に苦しんだ。

 その日は、ストライキ。町まで下ってみると車が全く走っていなかった。プラザ周辺は、ツーリストであふれていた。今日はどこかへ行こうにもいけない!いや、本当はどこかへいけるような身体の状態ではなかったのだけど。

 それでも翌日、翌々日と、具合悪いながらも、聖なる谷周辺にある遺跡を巡った。クスコには飽きていたし。もはやツアーバスには乗らない。ローカルバスやタクシーを乗り継いで、スペイン語会話の本をちらちら見ながら、少々あせりながらも観光を楽しんだ。バスには全くツーリストが乗っていないこともしばしば。民族衣装を着て、荷物を布にくるんで背負っている女性も多かった。人々は、村も家も見えないようなところで降りて行った。バス停からそうとう歩くのだろうか。何を考える、というわけでもないが、心に何かが残されていく。ローカルバスの旅はとっても安い。ランチは、飲むヨーグルトとオレンジとか。お腹の調子が悪すぎて、ほとんど食べられなかった。


 7月11日4:20am。第2の目的であるアマゾンツアーへと出発した。体調はまだ復活していなかったが、回復傾向にはあった。まだ暗く寒い早朝、ツアー・バンに乗り込んだ。乗っても寝るのみだ。クスコの町を随分あちらこちら回りながら、他のツアーメンバーを拾っていった。2カップルだけだったけど。

 町を抜けて、薄明かりの中、どんどんバンは登っていった。これからアンデス越えをするのだ。標高が高くなるにつれてますます寒くなってくる。

アンデスの旅 その9:アマゾンへ!_f0053026_19403549.jpg あたりの景色が見えるほどに明るくなった頃、山の上でバンは止まった。アンデスの朝を拝む。遠く、雪をかぶったAusangate山を臨む。私達以外、誰もいない。土に覆われたアンデスの頂だった。

 やっと仲間達の顔が見える。自己紹介が始まる。フランス人&ベルギー人のカップルとスエーデン人のカップル、そして私が、ツアーメンバーだった。もう1カップルがツアーに参加予定だったが、二人とも入院しなくてはならず前日にキャンセルしたとのことだった。高山病か。フランス人のカップルも具合が悪くてキャンセルしようかと思っていたとのことだった。私も危うくキャンセルの状態だった。それがクスコの標高なのである。

アンデスの旅 その9:アマゾンへ!_f0053026_1941246.jpg 次に止まったところは、プレインカ時代のお墓とされている遺跡だった。相変わらず土しかない山の上に、面白い形の土を積み上げた小さな建物が並んでいた。今日もアンデスの空は真っ青だ。

 7:00am。美しいパウカタンボ川沿いのパウカタンボという町のレストランのような場所を借りてブレックファスト。その川はウルバンバ川を経由し、最終的にはアマゾン河に合流するらしい。アンデス山中には違いないが、川の水のお陰か、いくらか緑が見えた。標高はどのくらいだったのだろうか。すぐそばに教会があったので、食事を待っている間、ちょっと覗いてみた。独特なミサが行われていた。教会を出る時に、不思議なピンクの飲み物とおいしいシホンケーキのようなものをいただいた。調子は随分とよくなってきていたが、今一それ以上、胃にものをいれたくなかった。フレックファストは、少しだけ。薄いパンと薄いケソ(チーズ)を食べた。町を出て、さらに山を登っていく。パウカタンボ川はすぐにはるか下の方に行ってしまい、また山の中だ。あたりは、段々曇り空になっていった。

アンデスの旅 その9:アマゾンへ!_f0053026_19412978.jpg いよいよマヌの入り口に来た!結構寒い!ここはマヌの敷地で一番南に位置しており、アンデス山脈の傾斜にあるために、いつも雲が多いという。このあたりから森が始まるのだが、雲が多いため、クラウド(雲)フォレストと呼ばれている一帯だそうだ。ここから、山を下る。下るにつれ、植物や生物の分布が変化していくとのこと。バンは今度はひたすら下り始めた。砂漠にあるような、比較的背の低い枯れた木々から、下に行けばいくほど、緑は濃くなり、また生い茂っていく。植物の種類もあきらかに増えてきて、乾燥している雰囲気がなくなってくる。さらに下るとシダ植物が加わる。いよいよジャングルだ!

 随分山を下り、バンが止まった。長い滝の横だった。
外は既に寒さは無く、多少湿気すら感じた。
水々しい!

 乾燥しきっているアンデスを越え、東側、ジャングルに来たのだ。
生き返るようだった!  “この空気、好き!”
いきなり、私は、レインフォレスト、熱帯雨林が好きだった。


 こうして、私は、生まれて初めて本物の熱帯雨林と出会った。
この時は、待ち受けるジャングルツアーに、ただただワクワクしていただけだった。
この熱帯雨林が、私の人生に深く影響を与えていくことになるとも知らず。

to be continued...
by phytobalance | 2010-05-17 19:47 | 旅・Journey