子供のためのエネルギーワーク・クリニック、Corazon de Nana(コラソン・デ・ナナ)では、ヒーリングタッチのセラピーを行っているだけではない。
個々の心理的な側面に目を向けて、週2回の絵画、演劇、音楽、ダンス、バイオダンザ、ヨガ、遊びのグループ・クラスを、専門家によるヒーリングタッチやエネルギー・メディスンのセラピーと組み合わせて提供している。これらのプログラムは、多くの子供たちにとって、自身のエネルギーフィールドを調和させ、整えることを学びながら、恐れや不安、虐待による心身の問題などに対処していく助けになると言う。日本でも紹介されているEFT(エモーショナル・フリーダム・テクニック)を教えたり、砂療法なども取り入れている。
コラソン・デ・ナナでのプログラムは、セルフケアのテクニックを重視しているとのこと。子供たちは、心に集中し、自分の手で愛のエネルギーを感じることを学び、さらに、エネルギーが滞っている場所に流れを取り戻すテクニックを学ぶのだという。また、チャクラやエネルギーフィールドなどのエネルギーシステムについての基本を学ぶ機会もあるそうだ。
1階の待合室の奥には、マーグのカウンセリング・ルーム、そして、砂療法に使う砂場や、子供たちの遊ぶおもちゃなども沢山あった。2階は、セラピールーム、そして、グループルーム。3階、4階には、ヨガやダンスができるような広いルーム、そして、瞑想ルーム(写真下左)もあった!子供たちにとっては、遊びながら、心の問題を解決する理想の場所のように思えた。
コラソン・デ・ナナは、子供向けではあるが、先に訪ねたセントロ・ナナ・ナグル(Centro Nana Nagle)は、同様に、地域の大人にとって、心、身体、精神的サポートになっているに違いない。
「昔は、腕の中で息を引き取っていく人々に対して、何もすることができなかった。でも、ヒーリングタッチやエネルギー・メディスンのお陰で、それらの人々にも何かできるようになった。」
という、マーグの言葉が印象的であった。
一週間後、リマの空港が位置するCallao(カヤオ)というリマに隣接する町のヒーリングタッチ・センターを訪れた。カヤオは、リマの一部であるかのようだが、別の町である。リマの中心地がどんどん開発されていく中で、端に追いやられているような場所である。
Casa de Angela(カサ・デ・アンジェラ/アンジェラの家)と名づけられたこのセンターは、アメリカ人のミッショナリー、キャロルが運営している。キャロルもまた、キリスト教の別の団体のミッショナリーとして、20年間リマで活動している。キャロルや同僚達は、地域に溶け込み、様々な形で地域をサポートしてきたとのこと。
10年前にヒーリングタッチがペルーに紹介されてから、キャロル達は、規模は小さいが、ヒーリングタッチやエネルギー・メディスンを施すセンターをカヤオに作り、多くの人々にエネルギー・ワークを使って、心のサポート、女性へのエンパワメントを行ってきたとのこと。現在は、5名のプラクティショナーによって、ヒーリングタッチを行っている。
私が訪れたその日は、クライアントさんはまだ来ていなかった。なので、キャロルと、カヤオ出身のヒーリングタッチ・プラクティショナー、グラディスに私がヒーリングタッチをすることにした!
最初に、グラディスが私のヒーリングタッチを受けた。キャロルがその場にいて、しばらく見ていたので、緊張!!キャロルは、ヒーリングタッチ認定インストラクターだ!!思えば、認定インストラクターとプラクティショナーに、ヒーリングタッチ・セッションをするのは初めてだった!!気軽にヒーリングタッチやります!と言ってしまったのだけど・・・
キャロルは、ヒーリングタッチがペルーにもたらされたいきさつを話してくれた。
長年のペルーでの活動を終えて米国へ帰国した元ミッショナリーの女性が、母国でヒーリングタッチに出会った。ヒーリングタッチを知り、これは現地で活用できる!と思い、ペルーにヒーリングタッチのインストラクターを招いたのが10年前。今以上に医療を受けにくい環境にあった人々には、ヒーリングタッチは大きな助けになったに違いない。それから、ミッショナリーを中心にヒーリングタッチは、ペルーに広まっていったとのこと。
ヒーリングタッチ創始者ジャネット・メンゲンは、これらの活動に賛同。ペルーでのヒーリングタッチ・プラクティショナー養成はジャネットのお墨付きである。この10年に、ペルー、そして、チリ、アルゼンチンなども入れて、9,000名のヒーリングタッチ・スチューデントが育った!すごい数だ!!ペルーには、現在、5名のヒーリングタッチ・インストラクターがいる。
グラディスは、カヤオ出身であり、キャロル達からヒーリングタッチを学んだプラクティショナーの一人だ。ヒーリングタッチの他、女性達の自立を助けるプログラムとして、編み物を教えたりして、このセンターで活動している。
20年前と比べて、暮らしは良くなったのか?という私の質問に、半分半分という返事が返ってきた。良くなった事と悪くなった事が混在しているのだそうだ。昔は、今より食べるのは大変だったけど、必要なものは少なかった。今では食べることができても、買わなくてはならないものが増えた分、暮らしは楽になったとは言えないとのこと。総合すると、貧しさはあまり変わらない・・らしい。カヤオには、電気も水道も通っているが、夜には電気や水が止められたりすることがしばしばあるらしい。
ここ数年、急激な成長を遂げているペルーの中で、20年前とあまり変わらない環境に住んでいる人々も大勢いる。そのような中で暮らす人々にとって、ヒーリングタッチは、心や身体、精神を優しくサポートし、そして、コミュニティをつなぎ、愛を放つ存在なのだろう。
ヒーリングタッチを通じて、期せずして、ペルーで、普通だったら出会わなかっただろう人々と出会うことができ、彼らの生活の一側面を知ることができた。ヒーリングタッチを通じて、彼女達とすぐ打ち解けることができたのが、何よりも嬉しかった。
ペルーの首都リマで、ヒーリングタッチのまた別の可能性を垣間見た。
・・・end