小雨の降る午後、ベルを鳴らしたのは牛乳屋さんだった。
ここは都心。ビジネス街。
何?牛乳屋さん??
まだ、そういうビジネスあるわけ?
と、ドアを開けると本当に牛乳屋さんだった。
「もしよろしければ。。」と、渡されたのは、
牛乳、クロレラ入り緑色の牛乳、飲むヨーグルト、いずれも瓶詰め。それに、ハチミツ入り黒酢とヨーグルト。
なるほど。牛乳の需要が減り、沢山の牛乳が捨てられている、とニュースで言っていた。
牛乳の販促だろう。
一緒に渡されたチラシを見たら、なんと隣の区の販売店だった。
「一本からでも配達しますよ!やはり、瓶の牛乳はおいしいですから。。」
豆乳派の私は、牛乳をまともに飲む気はないし、何で瓶だとおいしいの?と、すぐさま反発気味。でも、確かに子供の頃、いつも牛乳屋さんが配達していたなぁ、と思い出す。
実は、覚えている私の生まれて初めての記憶は、なんといっても牛乳瓶にかぶっていた様々な色のビニールに囲まれている、というものである。
我が家では、あのビニールを集めて、子供の遊び道具にしていたようである。
まだ赤ちゃんの頃だと思う。
「こんな遠くへ、一本でも配達してくれるの?」と私。
「ええ、もちろん。最近は、配達の需要が増えているのですよ!」
お年寄りや共働きで、ちょっとしたお買い物がなかなかできなかったりする。
なぁるほど。そんなニーズに合わせた、配達牛乳復活なのである。
わざわざ瓶でなくてもいいだろうに。でも、妙に瓶が懐かしかったりする。
豆乳派の私は、拒むことなく渡された牛乳受け取り、冷蔵庫にしまった。
クロレラ入りは特に楽しみだ。明日飲もう!