『トランスヒマラヤ密教』の学びも第1巻最終章までたどり着いた。
第4章 新しい時代
「新時代の特徴は、グループ統合とグループ協力へと向かう傾向、・・・」
(TH第1巻第4章2.新時代 p213:『秘教心理学I』より)
「パイシス時代(うお座の時代。これまでの時代を指す。)がパーソナリティーの発達と強調、パーソナリティーへの集中、パーソナリティー意識の時代であったのに対して、この来るべき時代はグループ相互作用、グループ理想主義、グループ意識の時代である。私たちがいま理解しているような利己主義は徐々に消え去るであろう。」
(TH第1巻第4章2.新時代 p214:『光線とイニシエーション』より)
アリスベイリーを経て伝えられる秘教は、人類の進化について説いているのであるが、次なる進化は、個人的ではなく、「グループ」で行われなくてはならないのである。
この「グループ意識」は、ダライラマ法王が、先月来日時に説かれたことと、私には重なって響いてくる。
チベット仏教の2つの大きな目的は、
・空を理解する
・菩薩心を起こす
ことであるという。そして、これらを通じて一切知=「智慧」を得ること=悟ること、が究極の目的であろう。空を理解するとは、いわゆる、解脱をすることである。そして、菩提心とは、他を思いやる心、利他の思いのこと。他者の利なくして、自分の利はない、のである。
空の理解と菩提心の発起は、双方ともに到達していくことではあるが、法王は、
「煩悩を無くせば、解脱は可能ではあるが、菩提心なくしては、一切知の境地は得られない」
とおっしゃった。つまり、利他の思いが、悟りに不可欠である、ということである。
修行というと、独りで山にこもってする、、ようなイメージを漠然ともっていたが、悟りは、独りでは成しえないのである。
仏教で言う、利他の思いとは、グループ意識に他ならない。他者の進化なくしては、自己の進化はありえない、グループで進化していかなくてはならないのである。
進化、、というと今一つわからない?先過ぎて?
では、「幸せ」ではどうか。
他者の幸せなくして、自分の幸せはありえないのである。
そんなことは分かっている?
本当に?
私たちは、このことを熟考しなくてはならない。
さて、来月、7月からは、いよいよ『トランスヒマラヤ密教』第2巻を学ぶ。
~生命としての地球~ 楽しみ!