ヒーリングのデモンストレーションを見た。
数あるヒーリングの中でも、ヒーリングタッチと言って、身体から数cm離れた、いわゆる、エネルギーフィールドと言われているところに触れて、エネルギーの乱れを整えるというもの。
エネルギーの世界では、このエネルギーフィールドが、肉体より先に乱れ、それが改善されないと、身体に支障が出てくる、という風に捉えている。
エネルギーフィールド、つまり、オーラについては、科学的に完全に認知されているものではない。しかし、不思議なことに、米国では、ヒーリングタッチのようなエネルギーへ働きかけるヒーリングが、多くの病院で認められていて、主に、看護師によって施されているとのことだ。
そのエネルギーワークの一つであるヒーリングタッチでは、ヒーリングを受けるヒーリーに対するヒーラーの「無条件の愛」を前提にしているとのこと。
まぁ、ヒーリングなるものだから、無条件の愛的志向なのだろうなぁ。
と、わかるような、わからないような。でも、頭では、そういうものでなくてはならんのだろう。
と、いう風受け止めていた。
でも、無条件の愛、って、一体、どうするの・・・・・?
ヒーラーさんは、ベテラン看護師さんである。長らく産婦人科に携わっていたのだが、10年続けているヒーリングタッチの影響なのか、最近、緩和ケアに担当を変わったとのこと。
デモンストレーションが始まる。
まず、目を閉じマッサージテーブルの上に横たわるヒーリーを、優しく見つめる。
ヒーラーの顔が変わる。
とても優しい顔をしている人なのだが、顔がより優しく、大きく包みこむような表情となる。
いよいよヒーリングに入る。
緊張感の一切ない両腕を翼のように広げ、ゆっくりと、優しく、ヒーリーのエネルギーフィールドに触れる。
優ぁ~しく、優ぁ~しく、白鳥が優雅に羽を広げるような動きとともに、ゆぅ~ったりと、ヒーリーの周りの空間を均すようにして、エネルギーフィールドを整えていく。
優ぁ~しく、ゆぅ~ったりと、包み込むような表情とともに。
その動きをただただ見つめているうちに、知らぬ間に、私の目には涙が溢れて、そして、頬を伝って流れた。
それは、無条件の愛、だった。
その穏やかで、大きな空間は、私の涙を止めることはなかった。
自分は、この人生、何を見て、何を感じて生きてきたのだろうか。
無条件の愛は、親子でなくても、ちゃんと存在し、見ることさえできるのだ。
私の中の何かが大きく動かされた。自分の人生が変わったような気さえした。