『ハイラーキーの出現』輪読会第3回、第4回。
第二章 世界の全般的な状況
の最初の二つの項を読んだ。
世界が直面している難局の背後にあるフォースを学ぶ。
世界の難局を生み出している原因
1938年9月
人類は、今、とてつもない規模の危機を通り抜けようとしているという。
世界奉仕者の新集団が徐々に形成されていることが、何よりもの証拠だそうだ。
これまでも危機に直面したことが何度かあったが、それは、進化過程において、発達を遂げたために人類が直面してきたということだ。
現在は、アクエリアス時代の到来、その過渡期にいる。
その主な特徴は、統一と統合。
それは、政治や国政的な統治機構の、世界で今日起こっている全てのことへの手掛かりを与え、統合、合併、提携へと向かう傾向がなぜみられるのかを説明する、のだそうだ。
外的な混乱の隠れた原因
1939年1月
世界情勢を別の観点からみると、その混乱の原因はエネルギーとフォースの領域にある。
現在、三つの大きなエネルギーの流れが世界に強力に作用しているほか、二つのエネルギーが現れようとしている。
1 最初にして最強のフォース:シャンバラ、つまり神の意志明らかな惑星センターから世界に流れ込むフォース
このフォースは、現在の世界危機の意志様相を具現し、次の二つの付随的な影響、つまり特質を及ぼしている。
a 現在の(政治、宗教、社会に関連した)世界的な形態に見られる望ましくないものや妨げになるものの破壊。
b これまで分離していたものを一つに結び付ける、統合するフォース。
2 二番目の主要なフォースは霊的ハイラーキーの、つまり神の愛が支配的である惑星センターのフォース
現在、ハイラーキーの前にある課題は、神の大計画が物質界で実現し、人類のための神の大目的が今世紀[二十世紀]の末に正しく方向づけられるようになり、適切な役割を担うことができるよう、五つの強力なエネルギーすべてを方向付け統御すること。
3 人類自身が三番目の主要な惑星センター
神の三つの様相の一つである知性がこのセンターを通して表現され、世界に影響を及ぼしている。
これらの三つのセンター(1と2と3)は、相互に密接に関連している。
そして、神が生きていることの現れとして、また、神の大計画が展開していく上での三つの段階を体現するものとして、私たちの体内の三つの主要センター - ヘッド、ハート、喉 - を構成するものである。
人類に奉仕し、世界を癒すことに参加したいと願う人々は、外観、方法、計画、物質界での結果や影響、その背後を見通すとともに、シャンバラやハイラーキーのフォースに接すること。さらに、これらの表現の仕方を生んできた人間の必要にも接するよう努め、そうした表現の仕方をありのままに見なければならない。
つまり、疲弊した制度や子供じみた改善努力ではなく、やがて解放をもたらし、新時代の文化や文明を生み出すための萌芽的な計画として。
ハートはもちろんのこと、ヘッドも使わなければならない。秘教的な理解だが、喉センターを通して創造的に達成される、ハートとヘッドの相互関係によって生まれる緊張感をもって、努力しなければならない。
思考者や奉仕者たちは、表面的な動きにではなく、目覚めようとしている意識に集中するようにならなければならない。形態は損害を被るかもしれないが、人間に固有の認識は今世紀[二十世紀]の間に神聖さを豊かに表現するようになってきている。
4 いわゆる「闇の勢力」つまりブラック・ロッジから、そしてグレート・ホワイト・ロッジとは正反対の声明や働き手たちのグループから三界に流れ込む物質主義のフォース。
闇の勢力について、私たちに伝えることのできるものはほとんどないそうだ。
それは、それらは、人類の問題ではなく、ハイラーキーの問題だからだ。
「この勢力の役割は、形態生命を維持し、顕現の過程に本来備わっている方法や目標を実現することである。いわゆるブラック・ロッジは顕現の形態様相に、ホワイト・ロッジは意識様相に専念している。」(p106)
闇の勢力とは、
- 古代から続く物質的なものを維持するために働いている強力なエネルギー
- 結晶化をもたらすフォース、形態を維持するフォース、物質の引き付けるフォース
- 三界の形態生命内に存在するものの持つ誘惑するフォース
それらは、
- 生命を付与する新たなものの流入を故意に遮る
- 新時代に属するものの理解を妨げるために働く
- なじみのある古いものを維持する
- 新しく表れるつつある分化や文明の影響力を弱める
- 諸国民を無分別にする
- 既に存在する憎悪と分離と批判と残虐行為の炎を着実に煽るように努める
- 世界の私的な人々に対しては狡猾に働き、美辞麗句で自らの活動を覆い隠す
- 弟子たちに対してさえ、人々やイデオロギーへの憎しみを表現するよう働きかける
- 多くの人間の中にある隠れた憎しみの種を育てる
世界の恐怖と憎悪を煽って燃え上がらせ、自分たち自身の目的のために進化や進歩の勢力を阻止しようとする。
彼らに対してできることは、私たちにはほとんどない、という。
あるとすれば、彼らの活動の焦点になりうる要素や、彼らの特異なエネルギーを分配する媒介になりうる要素を、自分の中からなくすこと。
思考やアイディアを統御し、愛ある精神を培い、大祈願を広く使用することによって、自分で思う以上に支援することができる。
5 世界各地にいる。ユダヤ人と呼ばれる人類の一部から発せられるフォース。
これは、特定のどの個人にも関係はない。ユダヤ人全体にまつわる世界的な問題の背後にあること。
人類家族の一定割合の人々は現在の太陽系の終わりに目標まで到達せず、次なる第三の太陽系が顕現するときまで、プララーヤ、つまり溶解状態に入り、のちに、太陽系において未来の人類の前衛になり、シンボルになる。
(秘教的には、現在は第二の太陽系、ということになっている。)
これと同様に、いまユダヤ人と呼ばれている人々は以前最初の太陽系と二番目の太陽系の幕間にプララーヤに入っていた集団の子孫である。
ユダヤ人は世々代々、他のすべての民族からの分離に固執してきたが、自分たちが「選ばれた民」であるという知識を以前の太陽系から持ち越してきた。
それは、初期レムリア時代に、人間がまだ全く存在しなかった世界にユダヤ人が入ったとき、民族の純潔を守ることがその主要な課題だったからである。
長い間、ユダヤ人自身が不利益を被るとともに、憎悪と分離の勢力がユダヤ人を利用して世界の混乱を掻き立て、分離という人類の基本的な問題を危機いまで追いやることが可能になった。
「さまよえるユダヤ人」は最初の太陽系から現在の太陽系へとさまよってきたが、この太陽系において同化吸収という教訓を学び、さまようのをやめなければならない。
これら二つのフォース(4と5)によって、
「人類とハイラーキーが直面する問題は非常に複雑になっているが、それはまた、適切な状況を生み出すためには常に必要とされる釣り合いを保つ役割も果たしている・・・」(p105)
この危機的な時期に奉仕しようと努めるすべての弟子たちは、この二つのフォースを考慮に入れなければならない。
また、新しいグループ・ワークを開始するときも二つのフォースを計算にいれなければならない。
そうしないと、間違った理想主義と思考がクループ・ワークを妨げることになりかねないから。
現在、人類の中で出会いぶつかり合っている五つのフォースを理論的に認識しなければならない。
弟子たちがメンタル・レベルでグループ・ワークを一緒に行うとするならば、偏見、憎悪、そして優越感や批判につながるあらゆる傾向をマインドから除去しなければならない。
こうした考えや想念がある場合、グループとして働くことはできない。
これらのグループによびかけた仕事がどうであれ、外的なグループ・ワークもおこなわなければならないということを認識することが、すべてのグループのメンバーにとって必要不可欠であるという。自分自身のグループ・ワークの重要性に満足してしまい、客観的な奉仕がないがしろにされる状況を許している人々がこれらのグループにはあまりにも多くいるから、とのこと。