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フィトバランス phytobalance

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暗闇からの贈り物

里山プログラム夜の部。ナイトウォーク。

念のため、と、密かに予備の懐中電灯をバックに潜ませていたが、なんと、灯り無しのウォークだった。

「灯り無しなので、いつものように視覚に頼ることはできません。ゆっくりと地面を踏みしめながら歩いてください。いつもとは違う足の感覚に出会うかもしれません。」、ガイドの方が言う。

なるほど、いつも足で歩いているけど、視覚に多大なる依存があって歩いているわけである。
今夜は、足だけが頼り。ふむ。

歩き始めると、目がだんだんなれていく。あまり見えなくても自然と目は地面を見る。
暗がりに白っぽい石などが、ボーっと見える。
やっぱり視覚に頼っている。でも、足はいつもより丁寧だ。
いつもより小石を感じるし、いつもより微妙な傾斜を感じる。
ちゃんと、足は、地面を読み取りながら歩くものであることを知る。


いよいよ暗闇になれてきた頃、この暗がりにぴったりの何かの声。
列は止まり、耳を澄ます。
んー、鳴いている。
フクロウだった。すごい!!
生まれて初めて聞くフクロウの声。
こんな声なのか。

すると昔、森の中でフクロウに出会ったことを思い出した。
鳴いてはいなかったが、フクロウは目の前にいた。
皆でフラッシュたいて写真を撮った。
その後、フクロウの目は大丈夫だっただろうか、と心配になった。
そんなことがあった。でも、どこだったか、誰と一緒だったか覚えていない。


10分足らず歩いたら、ウォークはそこで終わり。
そこで、火をおこした。私にとっては、久しぶりのキャンプファイヤーだ。
火が燃え始めると、皆、黙り込み火を見つめる。人間の習性か。

私も火を見つめていた。
火の形を見ていた。
イメージしていた火の形とは全然違った。
その形は、とても言語化できないけど、これまで思っていた火の形より、怖い感じで、お化けみたいだった。
火の一番外側がきれいな緑だった。こんなに緑だったっけ?
火だけを見ていても面白かった。


チーズとホットワインが配られた。
うまい。
皆もぐもぐとチーズの感触を語りながら、お皿を回した。


なんとも言えない、平和で穏やかな一時だった。
懐中電灯は、いらなかった。




by phytobalance | 2006-03-06 14:24 | 森・Forest