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トレイルウォーク 100km!その4

“もしかするとゴールまで行けるかもしれない!”

ところが、その気持ちはすぐに萎えた。
民家を抜けて、いたずらにアップダウンするハイキング道はいいとして、その後待っていたコンクリートの林道で、一気に気持ちが落ちた。コンクリートはもう歩けないのである。痛すぎる。しかも上り坂。


やっとハイキング道の入り口に着く。休憩をとった。
“CP7で最後かもしれない。”と遂に弱音を吐いた。

休憩していると、そこに、体格のいいお姉さんを含む白人女性4人組が、ドシドシとペースよく歩いてくる。ハイキング道入り口で休むことなく、急坂を一気に登っていった。何者。何故あんな元気なわけ?体、重いだろうに。もはや、皮肉めくしかない。

そんな気分ではなかったが、皆に習って、一応、カーボショッツを口に入れた。
ハイキング道を歩き始める。どんなに急でもコンクリートよりましだ。足は痛かったけど、ペースを落とさずどんどん坂を登っていった。
ドシドシ歩いていった彼女達に負けまい、とちょっと思った。

急坂はしばらく続く。
私達と前後になりながら歩いている若者男性のあるチームは、“イェーッシュ”と、ドスの聞いた掛け声をかけながら登っていた。
少々お下品ね、と思いながらも、その気持ち十分過ぎるほどわかる。実は、私も叫びたかった。その掛け声を聞きながら、いつしか元気が戻ってきた。
急な坂を登りきり、セントラル広場なる場所に着いた。足裏を思いっきりストレッチする。


ウォーキング再開。さて、そこからだった。
歩いていくうちに、次第にチームリーダーと男性チーム若者君と3人という編制となった。
ピークまで比較的なだらか、ということもあるが、ストックを突きながらのリズムを捉えることができたようだ。
何故か、ペースよく進んでいった。波に乗ったように、一気に歩が進んだ。
いいペースだった。誰もが比較的無言だった。

タンタン、タンタン、タンタン、タンタン、タンタン、タンタン、タンタン、タンタン。


タンタンタンタンと歩きながら、ふと思う。何故歩いているのだろう。

“そこに山があるからだ!”

その通りである。
もはや、意味もいらない、理由もいらない。ただ歩くのだ。
ただ歩くのだ。
それでいいような気がした。ただ歩くのだ。


気つけば、足は相変わらず痛い。でも、歩けるような気がしてきた。


いつしか、一番後ろで、チームのペースを測っていたKさんが追いつき、ピークの万葉広場あたりから、4人で下りに入った。きつい下りもありつつも、最大の下りは午前中に既に経験済み、それと比べればなんて事はない、一気に下った。

5kmは下ったか、ハイキング道は終わり、コンクリートに出た。
そこで、チームメンバーのSさんが待っていた。ここで、小休憩。

Sさんは、イベント参加が決まって以来、多摩の丘陵を毎日90分ジョギングしていたとのこと。そのためか、このトレイルウォークをものともせずに、歩くペースが異常に速い。ある時から、一人で先を歩いてもらっていた。トレーニングのたまものか。

ボランティアスタッフのおじさま方が、“お疲れ様でーす。後少しですよ~。”と、下から登ってきた。暗くなってくるので、山で道案内をするのであろうか。何とも有難い。
しかし、おじさま曰く、CP7まで1時間少しあるという。

うっそぉ!・・コンクリートを1時間も?・・・。また青くなった。

このコンクリートの道ほどきついものはなかった。一番きつかった。
ほとんど不機嫌で無口だった。
足が痛いのである。コンクリートは歩けないのである。
それなのに、超元気なSさんが、広くなった道を歩きながら、おもしろおかしいことを話し続ける。すごく申し訳なかったけど、笑い返すこともできなかった。


CP7のある小山の町にやっと着いた。
商店街・・とはいえないくらい寂しい町並みだった。
通り沿いのタオル屋さんが、カートにタオルを山積みにして、
“Get One Free”“お好きなものを1枚お取りください”とサインボードを出していた。
泣けるではないの。ピンクのタオルを1枚もらった。

駿河小山駅の向かいの集会場のようなところに、なにやらおばさま方が集まっていた。
“お疲れ様!ハンドベル聞いていきませんか?癒されますよ~。”
“あとちょっとですよぉ”
と声をかけてくれる。泣けるではないの。作った笑顔を向けることしかできなかったけど。


23日18:20、CP7の直前で、この小山の町の定食屋さんに入る。我チームは贅沢なのだ!
小雨が降ってきた。嫌な予感。

お腹だけは満たされて、CP7ふじみセンターにチェックイン。
無料のストレッチングに直行。マッサージかと思っていたので、ストレッチングでちょっとがっかりしたが。足、腰、肩など引っ張ったり押したりしてもらって、いくらか癒される。
もちろん、ストレッチングスタッフもボランティア。有難い。ライセンスが違うからと、ツボ押しはしてくれなかったけど。

入浴するにはぎりぎりの時間であったけど、入ったら最後動けないと、皆、断念。
と、ここで、足の指裏にマメを発見。保健室の看護師さんに水を抜いてもらいテーピングをしてもらった。途中でマメがつぶれて皮膚がずれるリスクを避けるため。なるほど、こういう技もあるのね。ただ、かかとのマメはそのままにしておいた方がよいと、アドバイスをもらった。マメは三重になっていた。

足のマッサージも欠かせない。しかし、マッサージ作戦もあまり効き目がなくなってきた。
と、皆がシュッシュやっているサロンパスを足の裏と甲にかけてみると、なかなかジンワリと痛みが軽減する感あり。なんだ、シュッシュすればいいのか。

長く休みをとっているうちに、足もいくらか回復してきた。
と同時に、萎えた気持ちも消えていった。あと2区間。歩くしかない。

出発は21:00と決めていたが、直前になって、男性チーム1名、女性チーム1名が、残念ながらリタイアを決めた。

1チーム4名だが、1名リタイアの3名までチームとして単独で歩くことができる。もし、それ以下になったら、どこかのチームと一緒に歩かなくてはいけない。そういうルールになっている。私達はもともと2チームで動いてはいたが、これで、男性チーム3名、女性チーム2名の5名は一緒にチェックイン・アウトをしなくてはいけないことになる。


23日21:15、Kさんを男性チームのリーダーに、元気なSさん、若者君、そして、女性チームリーダーと私の5名は、最後のチェックポイントCP8に向けて、小雨の中、CP7を出発した。
ゴールまではあと2区間だ。

まずは、向かうは不老山。一気に標高差600m以上を登る。

ゴールまで、あと20.5Km。

・・・to be continued.



by phytobalance | 2009-05-28 09:23 | 旅・Journey