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フィトバランス phytobalance

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GRACEプログラム その3 ポーズ

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翌朝、すべては薄っすら雪に覆われていた。

まだ、端が切れている雲が残っていたが、今日はいい天気になる!

プログラム中も朝の瞑想は7時から。30分の瞑想に続き、トニーのリードによる体操。

柔らかい声、優しいエネルギー。ストレッチ効果は倍増。
人は、ここまで優しく、心地よい存在になれるのだ。


ATTUNE TO YOURSELF AND OTHERS

GRACEAは、Attune to yourself and others。

自身と他者に同調する。

自分自身に同調(Attune)する入り口はいくつかある。ソマティック・・感覚的な側面、感情や思考。しかし、思考はしばしばバイアスがかかっていたりするし、感情は騒がしすぎていたりする。それらの入り口がよろしくないわけではない。それらにも気づいていかなければならないが、同調すべきは、自身の深い部分である。

他者に同調するのも自身に同調するのと同じ。ソマティックな側面、感情や思考に。しかし、相手を客観視するのではない、という。また、相手に感情移入する、というのも違う。自身の主観を広げる、大きくする、、という表現が使われた。

ここでまた、ワークが2つ。自分自身を知り、気づく、そして、それに同調するエクササイズ。


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CONSIDER WHAT WILL SERVE

GRACECは、Consider what will serve。

何が役に立つのか考える。

ここでは、discernment- 識別力 (判断力)- という言葉が使われた。つまり、何が役に立つのか見極める、ということ。そして、それらを、必ずしも「知って」なくてもよく、データを集めることが大切、と説明された。バイアスを持って、判断しないためである。「知っている」ということは、ある種のバイアス。ビギナーズマインドを持って、まっさらな状態でとらえないといけないのだ。

まず、自分自身に深く聴く。そして、相手と深くつながる。頭で考えるのではなく、つながることで、見出していく。何が役に立つのか。まずはポーズ(止まる)。すると、知らずにわかる、という感覚につながれる。

何がやくに立つのか。まずは、ポーズ。

これは徹底的に訓練しなければならない。その回答を本当に知っているのか。深く、深く聴いていくエクササイズを行った。何を知らないのか、に対して驚くことに対してオープンになりなさい、と伝えられた。


ENGAGE IN ACTION / END

GRACEEは、Engage in action and End。

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行動に従事する。そして、終了する。

自分自身に、そして、その状態の沿った(アライン)行動に従事する。これには、まず、ポーズ(静止)することが必要。

そして、 “結果には決して執着しない”   
これは、ヒーリングタッチの教えと同じだ。始めた頃は頭ではわかっても腑に落ちていなかった。しかし、学びとともに、その重要性を体験済みである。このGRACEでも、同じように説く。

No Attachment.

ここでは、沢山のEで説明された。Embodying action(具現化した行動)、Ethically aligned (倫理にあった)、Enthusiastic action(熱心に取り組む)、Equivalency(同等に)。こんな行動に従事するのだ。ポーズしながら。

そして、End。
コンパッションのワークを「終了」させることは重要であるという。そして、自分ができる最良のことをしたのだ、と認識し、その機会を与えてくれた相手に感謝をささげる、さらに、望むような結果でなかったかもしれないことへの許しを乞う。


簡単な抜粋だが、これがGRACEの意味であり、ケアをする・・人とともに在る時のステップである。

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重要なフレーズがいくつもあった。

* コンパッションは、人として最も基本で本質的なこと。
* 奉仕するとは、必ずしも正しいことを行うということではなく、正しくなるようにすること。
* まずは、ポーズ(静止)する。常に、ポーズする。
* 自身をコントロールする
* 倫理的アライメント(倫理に沿う)
* 自分自身のパターンを変える。
* 自身がリソースフルになることを学ぶ。
* レゾナンス(共鳴)の価値を理解する。
* 結果に執着しない。


GRACEの教えは深いものであったが、学びをさらに深くしたのは参加者のみんなのシェアだった。多くが、死にゆく人とともにある仕事をしたり、ソーシャルワーカーとして、本当に悲惨な状態にある方々のサポートをしたり、とその経験はすさまじいものであった。そんな体験を私はしたことがない。感情を抑え込み、無視し続けてきたベテラン医師の涙には、胸が熱くなった。

当初は、コンパッションをメソッドとして学べるのだろうか、という疑問があった。3人の素晴らしいプレゼンスと経験に基づくレクチャーに加え、沢山のワーク、そして、参加者のシェアは、コンパッションが座する私たちの本当に深い部分をノックし、大いに揺さぶるのに十分だ。あとは、この学びを忘れず、「常に」、ポーズし、自身に気づき、より深い部分へのアクセスを試み続けるしかない。

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毎回のセッションの冒頭に、老師は必ずNew York Timesなどに記載されていたエピソードをシェアした。すべて、コンパッションに関わるストーリーだけど、聴きながら私は毎回涙していた。3日間、私は最前列、ほぼど真ん中にに座っていた。何度も何度も合った老師のその目からは、コンパッションを養うことの重要性を伝えていくことへの強い意志を感じた。

講師シンダのそのプレゼンスは、表現しがたいものがある。そこに座っているだけで、優しさがこんなにも深く感じられるのだ。ただ優しいだけでなく、しっかりと受け止めてくれる強さとともに安心感を与える。まさに、ヒーリングタッチで私たちが目指している「ヒーリングプレゼンス」そのものだ。

講師トニーの深い知識と経験は、穏やかに表現される。その軽やかな優しい口調に誰しもが、緩み、溶け、心開くであろう。ひとたび会話したら、その存在そのものが、調和を生み出す。彼と言い争うものなど世界に一人もいないだろう。ヒーリングタッチで習うハートの質の一つである「内在する調和」とは、このことであろう。


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別れの時、老師は両手を私の頬に置きながら、しっかりと目を合わせた。

その目が語ることを、私はしっかりと受け止めた。


こうして、私は、美しい青空のもとUpayaを後にした。


この時既に、私はまた、ここに戻ってくるということをわかっていた。


END


by phytobalance | 2019-04-06 22:39 | 旅・Journey